配当控除はいくら戻る?総合課税と申告分離どっちが得?有利になる所得ラインと確定申告のやり方をFPが解説

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配当控除
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「配当金の税金って、確定申告すれば戻ってくるって聞いたけど…本当?自分もやったほうがいいのかな?」

結論からお伝えすると、国内株式の配当金は、課税所得がおおむね695万円以下の方なら「総合課税+配当控除」で確定申告すると税金が戻ってくる可能性が高いです。一方で、申告することで扶養や社会保険料に影響が出る方もいるため、「全員やるべき」ではありません。

この記事では、配当控除の仕組み、いくら戻るのかの目安、総合課税と申告分離のどちらが得か、そして2024年から変わった住民税のルールまで、独立系FPのボクがやさしく整理します。

※本記事は2026年7月時点の税制に基づく一般的な解説です。個別の税務判断は税務署または税理士にご確認ください。

目次

配当控除とは?二重課税を調整する仕組み

配当控除は法人税と所得税の二重課税を調整する仕組みであることを示す図
筆者作成

配当金の元になる企業の利益には、すでに法人税がかかっています。その残りから支払われた配当に、受け取るときにもう一度所得税・住民税がかかる——これが「二重課税」です。そこで、総合課税を選んで確定申告をした場合に、配当所得の一定割合を税金から差し引いて調整してくれるのが配当控除です。

控除率は、課税総所得金額が1,000万円以下の部分で所得税10%・住民税2.8%(1,000万円を超える部分は所得税5%・住民税1.4%)。対象は国内株式の配当などで、外国株式の配当やJ-REITの分配金は対象外です。

配当金の課税方法は3つ|総合課税と申告分離どっちが得?

方法 税率のイメージ 向いている人
①申告不要(源泉徴収で完結) 一律20.315% 申告の手間をかけたくない方/申告すると扶養・保険料に影響が出る方
②総合課税で申告(配当控除が使える) 所得に応じた税率−配当控除 課税所得がおおむね695万円以下の方(税金が戻る可能性)
③申告分離課税で申告 一律20.315% 株の売却損と損益通算したい方/損失の繰越控除を使う方
筆者作成(2026年7月時点の制度に基づく)

ポイントは、「配当控除を使いたいなら総合課税」「売却損と相殺したいなら申告分離」という使い分けです。どちらも選ばなければ、源泉徴収された20.315%で完結します(申告不要)。

いくら戻る?有利になる課税所得のライン

課税所得(目安) 総合課税での配当の実質負担 申告不要(20.315%)との比較
〜330万円 約7.2% 大幅に有利
330万〜695万円 約17.4% 有利
695万〜900万円 約20.5% ほぼ同等〜わずかに不利
900万円超 約28%〜 不利(申告しないほうが得)
所得税(復興特別所得税含む)+住民税の概算。筆者作成(2026年7月時点)

例えば課税所得400万円の方が年間20万円の配当を受け取っている場合、源泉徴収では40,630円の税金ですが、総合課税で申告すると実質約34,800円程度に。差額の約5,800円が還付される計算です(概算)。配当が大きいほど、戻る金額も大きくなります。

【重要】2024年から住民税の「いいとこ取り」は廃止されています

以前は「所得税は総合課税、住民税は申告不要」と別々の方式を選ぶ節税テクニックがありましたが、税制改正により2024年度分から所得税と住民税の課税方式は統一されました。古い記事やSNSの情報には廃止前のテクニックが残っているので注意してください。本記事の有利ラインは、統一後のルールで計算しています。

申告する前に確認したい注意点3つ

  • ①扶養・配偶者控除への影響:総合課税で申告すると配当が「合計所得」に加わります。扶養の範囲内で調整している方は、申告によって外れてしまう可能性があります
  • ②国民健康保険料・後期高齢者医療保険料が上がる可能性:自営業の方や年金生活の方は、申告した配当が保険料の計算に含まれます。還付額より保険料の増加が大きくなる逆転も。詳しくは金融所得と社会保険料の記事をご覧ください
  • ③対象外のものがある:外国株式の配当(米国株など)・J-REITの分配金・NISA口座の配当は配当控除の対象外です(米国株は「外国税額控除」という別の制度の検討を)

配当控除を受ける確定申告のやり方【4ステップ】

  • STEP1:証券会社から届く「年間取引報告書」を手元に用意(1月中旬ごろ電子交付)
  • STEP2:国税庁の確定申告書等作成コーナー(e-Tax)にアクセス。マイナンバーカードがあれば自宅で完結
  • STEP3:配当所得の入力画面で「総合課税」を選択し、年間取引報告書のとおりに入力
  • STEP4:配当控除は自動計算されます。還付金の振込口座を入力して送信(申告期限は原則3月15日)

よくある質問(FAQ)

Q1. NISA口座の配当金も配当控除の対象になりますか?

A. なりません。NISAの配当はそもそも非課税なので、二重課税の調整(配当控除)も不要です。なお非課税で受け取るには、配当の受取方法を「株式数比例配分方式」にしておく必要がある点だけご注意ください。

Q2. 米国株の配当はどうすればいいですか?

A. 配当控除の対象外ですが、米国で源泉徴収された10%分について「外国税額控除」を確定申告で取り戻せる場合があります。別の制度なので混同にご注意を。

Q3. 申告すると夫(妻)の扶養から外れますか?

A. 総合課税で申告した配当は合計所得に含まれるため、金額によっては配偶者控除・扶養控除に影響します。扶養内の方は、申告不要のままにしておくほうが有利なケースも多いです。

まとめ|「申告すれば得」ではなく「自分の場合」で判断を

  • 配当控除は国内株の二重課税を調整する仕組み。総合課税での確定申告が条件
  • 目安は課税所得695万円以下なら有利、330万円以下なら特に大きい
  • 売却損がある年は申告分離で損益通算という選択肢も
  • 2024年から住民税の「いいとこ取り」は廃止。古い情報に注意
  • 扶養・国民健康保険料への影響を確認してから申告を

「自分の所得だと申告したほうが得なのか分からない」——そんなときは、源泉徴収票と年間取引報告書を手元に、一度シミュレーションしてみるのがおすすめです。判断に迷ったら、ひとりで悩まず一緒に確認していきましょう。

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この記事を書いた人

FPの流儀のアバター FPの流儀 有限会社バード商会

「バード商会」はもともと私の父の会社です。
バードは、大空を自由に飛ぶラッキーモチーフの象徴ともいわれています。
私と携わってくださる人の家計が「ほんの少しでも豊かになるように」という想いを込め、バードという社名を引き継ぎFPとして相談業務、ライフプランの作成、執筆業務等を行なっています。
皆さまの家計に、経済的な自由(Freedom)と幸運(Prosperity)を提供できるよう尽力して参ります。

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