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こんにちは。FPのかずです。
今回は、みんな大好き?知る人ぞ知る?プルデンシャル生命のドル建て終身保険の解約返戻金を分析していきたいと思います。
今回参考にするのは、27歳男性が10万ドル(1ドル=100円換算で1,000万)の終身保険を買った場合です。10年で払い込み終了のものですので、65歳終了の場合などと比べて、一年間の払い込み金額が大きいのが特徴です。あくまでも、保険を検討している方の参考になればと思います。
本当にドル建て終身保険は資産運用になるのか、貯金になるのか。その辺を突っ込んでいきます。
この保険の営業を受けた経緯については、過去の記事を読んでもらえると嬉しいです。
さて、早速ですが、この保険の年間保険料は
4,398ドル(1$=100¥:439,800円)です。
毎月366ドル(1$=100¥:36,600円)。。。何度見ても高い(笑)
実際は、為替レートにより80円~120円くらいと言ったところでしょうか。このレートはニュースでよく見る為替レートに対して1ドルあたり50銭の為替手数料が上乗せされますので、実際はニュースで見るより高いです。
そして、解約返戻金がこのような感じになります。
経過年数 払込保険料 解約返戻金(すべてドルでの表記になります。)
1年 4,398 1,150
2年 8,796 5,000
3年 13,194 8,950
4年 17,592 12,990
5年 21,991 17,130
6年 26,389 21,360
7年 30,787 25,700
8年 35,185 30,140
9年 39,584 34,690
10年 43,982 39,330払込終了
11年 43,982 40,090
12年 43,982 40,860
13年 43,982 41,640
14年 43,982 42,430
15年 43,982 43,250
16年 43,982 44,070
17年 43,982 44,920ようやく返戻率が100%以上
18年 43,982 45,770
19年 43,982 46,650
20年 43,982 47,540
21年 43,982 48,440
22年 43,982 49,350
23年 43,982 50,280
24年 43,982 51,220
25年 43,982 52,180
26年 43,982 53,150
27年 43,982 54,130
28年 43,982 55,140
29年 43,982 56,150
30年 43,982 57,180返戻率130%
30年で30%と言うことは、つまり1年あたり1%。。。
営業マンから
「10年で払い込みが終われば後はどんどん返戻金が増えてくる!30年で130%!これ凄くないですか!?」
なんて言われました。
まず、資産運用になるという点について考察します。
仮に毎月3万円をインデックスファンドで年利5%とし、保険と同じ10年運用したとすると
年 投資額累計 年末残高
1 360,000 368,213
2 720,000 754,918
3 1,080,000 1,161,043
4 1,440,000 1,587,564
5 1,800,000 2,035,504
6 2,160,000 2,505,941
7 2,520,000 3,000,003
8 2,880,000 3,518,876
9 3,240,000 4,063,808
10 3,600,000 4,636,106 10年後には100万円以上の差がでます。
この4,636,106円をそのまま5%複利で運用し続けると・・・
20年後(つまり10年間毎月3万円積立投資を行い、11年目からは運用を続けたまま寝かせておく)はなんと
7,551,728円まで増える計算になります。
※あくまでも計算上です。
もちろんインデックスファンドは、上がり下がりがありますので、このように確実に資産が増えるわけではありませんが、優良なインデックスファンドを15~20年以上と言った長期に渡って運用し続けることで、かなりの確率で資産を増やすことができると過去の実績から証明されています。
実際に計算してみると分かると思いますが、終身保険の投資商品としての弱さが露呈しますね!資産運用には適していないことが分かります。
積立nisaでコツコツと優良インデックスファンド(Ex.eMAXISSlime米国株式S&P500やeMAXISSlime全世界株式、楽天VT)で資産運用しましょう。初心者でも手軽に始められます。
次に、貯金としての機能ですが、16年間元金割れする時点で貯金になっていません。貯金・預金というのは、超低金利ですがいつでもお金を引き出せて使えるという流動性が一番の特徴です。保険の場合は、解約するにしても、現金が手に入るまで数日かかります。
そこからも分かるように、流動性もない、非常に長い間元金割れする。この時点で貯金としての機能を持っていないことになります。
それに、仮に元金割れしないタイミングで解約したとしても、その時の為替レートによっては、円換算で元金割れすることもあります!
結論、ドル建終身保険の加入は十分に考えてから!ドル建てだけでなく養老保険、変額保険など貯蓄性のあるもの全てです。
本当に自分にはドル建て保険が必要なのか、その仕組みはきちんと理解できているのかもう一度自問自答してみてください。
死亡保障は掛け捨ての保険にネットから申し込む方法や、お勤めの会社の団体保険、県民共済など安価なものはたくさんあります。
但し、2000年より前、特に1994年より前の貯蓄性のある保険は、今では考えられないほどの利回りが期待できるものが多く、これはお宝保険として大事に持っておいた方がいいかもしれません。
最後までご覧いただきありがとうございました。