iDeCo手数料は2027年1月から月120円に|値上げの影響とデメリット7つ、節税効果を年収別に解説

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iDeCo手数料は2027年1月引き落とし分から105円から月120円へ変わることを示すアイキャッチ

「iDeCoの手数料が値上げされるって本当?」
「後からルールが変わるなら、もうやめたほうがいいのかな」

iDeCo(イデコ)は60歳まで引き出せない制度だからこそ、条件が変わると不安になりますよね。そのお気持ち、よく分かります。

先にお答えします。iDeCo手数料のうち、国民年金基金連合会に払う分は、2027年1月26日の引き落とし分から月120円になります。毎月積み立てている方の負担増は年180円です。

一方で、年1回まとめて積み立てている方は、年1,335円の負担増になります。そしてボクが大切だと思うのは、値上げ額そのものより、金融機関の手数料と、ご自身の節税効果を確かめることです。

この記事で分かることは、次の4つです。

  • iDeCo手数料はいつから、いくら変わるのか
  • iDeCoのデメリット7つとメリット8つ
  • 節税効果は年収別にいくらか
  • iDeCoが向いている人、慎重に考えたい人

※本記事は2026年11月6日時点の情報に基づいています。税額は前提を置いた概算で、特定の金融商品をおすすめするものではありません。

目次

iDeCo手数料はいくら上がる?2027年1月からの変更点

変わるのは国民年金基金連合会の分だけで、掛金を出すたび105円だったものが、月120円になります。2026年12月分の掛金(2027年1月26日引き落とし)から適用され、加入者の手続きは要りません。加入時の2,829円は変わりません。

支払先加入中の手数料掛金を止めている間
国民年金基金連合会105円→月120円かからない
事務委託先の信託銀行月66円〜かかる
運営管理機関(金融機関)月0円〜(金融機関で違う)かかる
iDeCoの手数料の3つの層。出所:国民年金基金連合会の資料などを基に筆者作成

運営管理手数料が0円の金融機関なら、合計は月171円から月186円になります。

年1回拠出は年105円から年1,440円へ

今回いちばん影響が大きいのは、掛金を年1回などにまとめて出している方です。これまでは拠出した回数分だけだった連合会の手数料が、拠出期間の月数分かかるようになります。

掛金の出し方これまで2027年1月から増える額
毎月1,260円1,440円年180円
年2回210円1,440円年1,230円
年1回105円1,440円年1,335円
連合会の手数料の年額の比較(信託銀行と金融機関の手数料は別・筆者計算)
連合会の手数料の年額。毎月は1,260円から1,440円、年1回は105円から1,440円に増える
連合会の手数料の年額の変化(筆者計算)。出所:国民年金基金連合会の資料を基に筆者作成

年1回の方が20年続けると、増える負担は単純計算で2万6,700円です。手数料の節約のために年1回にしていた方は、毎月に戻すかどうかを見直してもよいかもしれません。

値上げより大きいのは金融機関の差

ここが今日いちばんお伝えしたいところです。今回の値上げは月15円ですが、金融機関の選び方で、差はもっと大きくなります。

運営管理手数料が0円のところと、高いところでは、月458円の差があります。30年なら約16.5万円です。手数料は運用の結果に関係なく引かれるので、ご自身の金融機関を一度確かめてみてください。

金融機関は変更できます(移換)。ただし手続きに3〜6か月ほどかかり、その間は運用ができず、数千円の手数料がかかることもあります。掛金の残り年数と比べて判断しましょう。

iDeCoのデメリット7つ

iDeCoのいちばんのデメリットは、原則60歳まで引き出せないことです。ほかの6つも含めて、順番に見ていきます。

  • 1. 原則60歳まで引き出せない:教育費や住宅、病気で急にお金が必要になっても使えません
  • 2. 手数料がかかる:運用の結果にかかわらず、毎月差し引かれます
  • 3. 受け取りのルールが変わった:iDeCoを先に一時金で受け取るときの間隔が、前年以前4年内から9年内へ延びました
  • 4. 特別法人税のリスクがある:年1.173%の税金ですが、2029年3月31日までは課税が止められています
  • 5. 掛金を止めても手数料が続く:止めても口座は解約できず、信託銀行と金融機関の手数料は続きます
  • 6. 掛金の自由度が低い:最低は月5,000円で、変更は原則として年1回です
  • 7. あとからルールが変わることがある:長い制度なので、続ける間に条件が変わる可能性があります

特別法人税が復活したらいくら?

特別法人税は廃止ではなく、課税が止められている状態です。もし復活すると、資産500万円で年約5万8,650円の負担になります。今すぐ心配するものではありませんが、知っておくと安心です。

受け取りのルールは事前に確かめる

5年ルールが10年ルールになった、と言われるのがデメリット3です。受け取り方によって税金が変わるので、退職金と企業型DCの同時受取の記事も参考にしてください。

iDeCoのメリット8つ

  • 掛金の全額が所得控除になり、所得税と住民税が軽くなる
  • 運用益に税金がかからない
  • 受け取るときも、退職所得控除や公的年金等控除の対象になる
  • 毎月の積み立てで、買う時期を分散できる
  • 商品の入れ替え(スイッチング)を、売却の税金を気にせずできる
  • 亡くなったときや高度障害のときは、60歳前でも受け取れる場合がある
  • 差し押さえが禁止されている
  • 60歳まで引き出せないので、老後資金を強制的に残せる

最後の1つは、デメリットの裏返しです。増えても減っても使えないからこそ、続けられる。NISAは自由な分、途中で使ってしまう方もいらっしゃいます。これがiDeCoならではの強みだと、ボクは考えています。

iDeCoの節税効果を年収別に試算

節税額は「年間の掛金×(所得税率+住民税10%)」が目安です。年収500万円で月2.3万円なら年約4.2万円、年収1,000万円なら年約8.4万円の試算です。

年収月2.3万円の場合月6.2万円の場合
400万円約4.2万円約11.2万円
500万円約4.2万円約11.2万円
700万円約7.4万円約16.9万円
1,000万円約8.4万円約22.6万円
iDeCoの年間の節税額の試算(筆者計算)。会社員・独身・社会保険料は年収の15%・ほかの控除なしと仮定。月6.2万円は企業年金のない会社員の2026年12月分からの上限
iDeCoの年間の節税額の試算。年収500万円で月2.3万円なら約4.2万円、月6.2万円なら約11.2万円
iDeCoの年間の節税額の試算(会社員・独身・社会保険料15%などの前提つき・筆者計算)

掛金を増やすと、高い税率がかかっていた部分から順に控除され、やがて低い税率の部分に入ります。そのため、掛金が2.7倍でも、節税額が2.7倍になるとは限りません。実際の金額は、扶養家族や保険料控除などで変わります。

掛金の上限は働き方で違います。公務員は月5.4万円、企業年金のある会社員は「6.2万円−会社の掛金」、自営業の方は月7.5万円(国民年金基金などと合算)です。詳しくはiDeCo改正の記事をご覧ください。

iDeCoが向いている人、慎重に考えたい人

向いている人慎重に考えたい人
退職金があまり見込めない人数年内に大きな出費がある人
自営業・フリーランスで年金が少ない人生活防衛資金がまだ足りない人
所得税率が高い人所得税がかからない、または税率がとても低い人
途中で使ってしまいそうな人20〜30代で、これからの出費が読めない人
iDeCoが向いている人・慎重に考えたい人(筆者の考え)

20〜30代の方には、ボクはまずNISAから、という考えも持っています。60歳まで使えないお金にしてしまうと、住宅や教育費の場面で動きにくくなるからです。本格的に老後を準備する30代後半から40代で考え始めても、決して遅くはありません。

また、お勤め先に企業型DCがある方は、まずそちらを確認してください。企業型DCの事務費は、会社が負担していることもあります(規約によります)。基本は企業型DCの記事にまとめています。

iDeCoをやめたほうがいい?判断する3つの確認

「やめる」という選択は、実は簡単ではありません。iDeCoは原則として途中で解約できず、掛金を止めても資産は60歳まで残ります。迷ったら、次の3つを順に確かめてみてください。

iDeCoを続けるか判断する3つの確認。節税額、金融機関の手数料、無理のない掛金
迷ったら、この3つを順に確かめる(※イメージ図・筆者作成)
  • 節税額は手数料より大きいか:年1万円の節税でも、手数料(月186円なら年2,232円)は十分カバーできます
  • 今の金融機関の手数料は高くないか:高ければ、やめる前に移換を考えます
  • 掛金は無理のない額か:苦しければ、月5,000円まで減らす方法もあります

数十円の値上げだけで、やめる判断をする必要はないと思います。ただ、お金が足りなくて暮らしが苦しいなら、止めることも立派な選択です。無理なく、自分のペースで決めていきましょう。

iDeCoの手数料負けとは?いくらなら損しない?

手数料負けとは、手数料が運用益や節税の得を上回ることです。月186円なら年2,232円なので、掛金が最低の月5,000円(年6万円)でも、所得税がかかる方なら節税額が手数料を上回りやすくなります。税率の合計が15%の方で、節税額は年9,000円です。

心配なのは、所得税がかからない方や、運営管理手数料の高い金融機関で、定期預金だけを選んでいる場合です。この形では、手数料が利息を上回りやすくなります。

よくある質問

iDeCoの手数料はいくら負担するのですか?

2027年1月26日引き落とし分からは、運営管理手数料が0円の金融機関で月186円が最低の目安です。加入時には別に2,829円かかります。

iDeCoの手数料はマイナスになっても発生しますか?

発生します。運用の結果にかかわらず差し引かれます。

iDeCoの手数料は会社負担ですか?

iDeCoは原則としてご本人の負担です。企業型DCは、会社が負担しているかどうかが規約で決まります。

iDeCoの手数料はいつから値上げされますか?

2027年1月26日の口座引き落とし分(2026年12月分の掛金)からです。連合会の分が、拠出1回105円から月120円になります。

手数料の変更で、何か手続きは必要ですか?

必要ありません。ただし年1回などにまとめて拠出している方は、拠出の方法を見直す余地があります。

掛金を止めたら手数料はかかりませんか?

連合会の分はかかりませんが、信託銀行と金融機関の手数料はかかり続けます。運営管理手数料が0円の金融機関なら月66円が目安です。

iDeCoのデメリットだらけは本当ですか?

デメリットはありますが、節税の効果が手数料を上回る方は多いです。ただし、すぐ使う予定のあるお金には向きません。お金の役割で考えるのがおすすめです。

まとめ|値上げの額より、自分の節税額と金融機関を見る

  • iDeCo手数料は、2027年1月26日引き落とし分から連合会の分が月120円に
  • 毎月の方は年180円増、年1回の方は年1,335円増
  • 金融機関の差のほうが大きく、30年で約16.5万円になることもある
  • 節税額の目安は、年収500万円・月2.3万円で年約4.2万円(試算)
  • 60歳まで使えないことが最大のデメリットであり、強みでもある

ルールが変わるのは不安なものです。だからこそ、変わったところだけを見て慌てず、ご自身の数字で確かめてみてください。受け取りまで見通しておくと、より安心です。老後資産を取り崩す順番の記事もよかったらご覧ください。焦らなくて大丈夫です。一緒に考えていきましょう。

参考資料

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この記事を書いた人

FPの流儀のアバター FPの流儀 有限会社バード商会

「バード商会」はもともと私の父の会社です。
バードは、大空を自由に飛ぶラッキーモチーフの象徴ともいわれています。
私と携わってくださる人の家計が「ほんの少しでも豊かになるように」という想いを込め、バードという社名を引き継ぎFPとして相談業務、ライフプランの作成、執筆業務等を行なっています。
皆さまの家計に、経済的な自由(Freedom)と幸運(Prosperity)を提供できるよう尽力して参ります。

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