NISAで国債は買える?個人向け国債はいつから対象に?待つ損得と置き場所の決め方をFPが解説

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NISAで国債は買える?2026年11月時点では買えず、対象にするかは検討段階であることを示すアイキャッチ

「NISAで国債は買えるようになるの?」
「新NISAで買えるまで、待ったほうがいいのかな」

検索でも相談の場でも、最近こんな声が増えています。退職金を受け取ったばかりの方、定期預金の満期が近い方ほど、気になる話だと思います。

先にお答えします。2026年11月時点で、NISAで国債そのものは買えません。個人向け国債を対象にする話は検討の段階で、まだ何も決まっていません。

そしてボクがいちばんお伝えしたいのは、「買うか、待つか」を先に悩まなくて大丈夫、ということです。大切なのは、そのお金がいつ使うお金か。ここが決まると、答えは自然と見えてきます。

この記事で分かることは、次の4つです。

  • NISAで国債が買えるのか、買えるとしたらいつからか
  • 個人向け国債の最新金利(2026年11月募集分)
  • NISAを待つと、100万円でいくら取りこぼすのか
  • 財布・金庫・畑の3つに分ける、お金の置き場所の決め方

※本記事は2026年11月6日時点の情報に基づいています。金利は毎月変わり、税制は今後の議論で変わる可能性があります。特定の金融商品をおすすめするものではありません。

目次

NISAで国債は買える?2026年11月時点の答え

NISAの口座で、個人向け国債などの国債そのものを買うことはできません。今のNISAの対象商品に、国債が入っていないためです。

「でも、NISAで債券を買えると聞いたけど」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。それは、債券を組み入れた投資信託やETFのことです。国債そのものとは、中身の動きが違います。

項目個人向け国債債券の投資信託・ETF
NISAで買えるか買えない商品によっては買える
値動きなし(額面で換金)あり(金利が上がると下がりやすい)
元本1年たてば元本割れなし元本保証なし
利子・分配金の税金約20%かかるNISA内なら非課税
個人向け国債と、NISAで買える債券の投資信託・ETFの違い(2026年11月時点・筆者作成)

ここが、いちばんの落とし穴かもしれません。「国債が入っているから安全」と思って債券の投資信託を買うと、金利が上がる場面では値下がりすることがあります。個人向け国債の代わりにはならない、と考えておくと安心です。

個人向け国債はいつからNISAの対象に?

いつからかは、決まっていません。対象になるかどうか自体が、まだ決まっていない段階です。「最短でも2028年ごろ」というのが、今の材料から読めるボクの見立てです。

今わかっている3つの事実

  • 2026年7月、国民民主党が、個人向け国債をNISAの対象に加える法案を提出したと報じられました
  • 2026年8月、金融庁の税制改正要望に「国債に関する税制の検討」という項目が、財務省との共同要望として入りました
  • ただし、これは「検討してほしい」という要望です。NISAの対象にすると決まったわけではありません
個人向け国債のNISA対象化の流れ。2026年7月の法案提出、8月の税制改正要望までが事実で、12月の大綱以降は未定
個人向け国債のNISA対象化はどこまで進んでいる?(2026年11月時点・「最短」は前例からの筆者の見立て)出所:金融庁資料、報道を基に筆者作成

「最短2028年」はボクの見立てです

新NISAのときは、2022年12月の税制改正大綱から、2024年1月の開始まで約1年でした。同じ速さで進むと仮定すると、2026年12月の大綱に載った場合で、2028年1月ごろになります。

これは前例からの計算で、どこかが発表した日程ではありません。大綱に載らなければ、さらに先になるか、話が立ち消えになることもありえます。

「個人向け国債プラス」とは別の話です

もう1つ、まぎらわしいニュースがあります。財務省は、2026年12月募集分(2027年1月発行分)から個人向け国債を一部の法人等にも販売し、商品名を「個人向け国債プラス」に変える予定です。

これは買える人を広げる話で、商品の中身は変わらないと説明されています。NISAの対象になるという話ではありません。

個人向け国債の最新金利|11月募集分は固定5年2.17%

2026年11月募集分の金利は、変動10年が年1.85%、固定5年が年2.17%、固定3年が年1.94%です。募集期間は11月9日から30日までで、10月募集分より3つとも下がりました。

募集月変動10年固定5年固定3年
2023年9月0.43%0.21%0.05%
2025年9月1.06%1.12%0.93%
2026年9月1.95%2.24%1.96%
2026年10月2.05%2.39%2.07%
2026年11月1.85%2.17%1.94%
個人向け国債の金利の動き(各月の募集分・年率)。出所:財務省の報道発表を基に筆者作成
個人向け国債の金利の推移。固定5年は2023年9月の0.21%から2026年11月の2.17%へ、変動10年は0.43%から1.85%へ
個人向け国債の金利の動き(各月の募集分)。出所:財務省の報道発表を基に筆者作成

ボクはずっと金利のつかない時代を生きてきたので、この数字を見ると今でも少し驚きます。ただ、10月から11月で下がったように、金利はまっすぐ上がり続けるわけではありません。ここは見ておきたいところです。

100万円を1年置くと、手取りはいくら?

利子には20.315%の税金がかかります。税引き後の手取りで比べると、次のとおりです。

置き場所年率手取り利息
固定5年(11月募集)2.17%約17,290円
固定3年(11月募集)1.94%約15,460円
変動10年(11月募集)1.85%約14,740円
普通預金0.4%約3,190円
100万円を1年置いたときの手取り利息の目安。普通預金は年0.4%と仮定。変動10年は初回の利率のまま計算(筆者計算)

固定5年と普通預金では、手取りに5倍以上の差があります。お金を置く場所を変えるだけで、これだけ違う時代になりました。

固定5年が変動10年より高い理由

これまで長い満期のほうが金利は高いのがふつうでした。今は、固定5年だけでなく固定3年も、変動10年を上回っています。年功序列の会社で、3年目の後輩の給料が10年目の先輩より高くなっているようなものです。

理由は、金利の決まり方にあります。変動10年は基準金利に0.66を掛け、固定は基準金利から少し引くだけです。そのため金利が上がる場面では、変動10年が後から追いかける形になりやすいのです。

どちらが自分に合うかは、固定3年・固定5年・変動10年の違いをまとめた記事も参考にしてください。

NISAを待つと損?100万円で計算してみました

ただの普通預金で待つと、取りこぼした利息を取り戻すまで3年半ほどかかる計算です。待つこと自体が悪いのではなく、待つ間の置き場所で差がつきます。

前提は次のとおりです。特定の個人の事例ではありません。

  • 100万円を、11月募集の固定5年(発行日2026年12月15日)に置く場合と比べる
  • NISAで買えるようになるのを、仮に2028年1月とする(待つ期間は約13か月)
  • NISAで買う国債の金利も今と同じ年2.17%とする
  • 普通預金は年0.4%、定期預金は年1.2%とする。手取りは税引き後で比べる
待つ間の置き場所取りこぼす手取り利息取り戻すまで
普通預金(年0.4%)約15,300円約3.5年
定期預金(年1.2%)約8,400円約1.9年
待つ間の置き場所と、取り戻すまでの年数(筆者計算)

NISAになれば、100万円あたり年に約4,410円の税金がかからなくなります。この「非課税の得」で、待った分を少しずつ取り返していく計算です。

年1.2%の定期預金は、銀行や期間によって条件が違います。キャンペーン金利のこともあるので、手続きの前に確かめてください。動画は9月募集分の金利で計算しているため、約1万8,000円、約4年と、数字が少し違います。

逆の結果になることもあります

  • これから金利が上がれば、待ってから買うほうが有利になることがあります
  • NISAの対象にならなければ、非課税の得はそもそも生まれません
  • 1年以内に使う予定があるお金は、個人向け国債には向きません(発行から1年は原則換金できないため)

つまり、「今すぐ買うべき」でも「待つべき」でもありません。もし12月の大綱を待ちたいなら、待つ間の置き場所までセットで決めておく。これがボクの考える、無理のない進め方です。

定期預金との比べ方は、個人向け国債と定期預金の比較記事でも整理しています。

個人向け国債のデメリット|買う前に知っておきたい4つ

個人向け国債にも弱点があります。安心な商品だからこそ、できないことを先に知っておきましょう。

  • 発行から1年は、原則換金できません(保有者が亡くなった場合や大規模な災害などの特例を除く)
  • 途中で換金すると、直前2回分の利子相当額(税引き後)が差し引かれます。元本は割れません
  • 利子に約20%の税金がかかります。今はNISAで非課税にはできません
  • 物価の上昇に負けることがあります。お金の額面は守れても、買えるものが減ることはありえます

財布・金庫・畑|お金の置き場所を3つに分ける

ここからが、ボクがいちばんお伝えしたいところです。国債をいくら持つかは、お金を財布・金庫・畑の3つに分けると決めやすくなります。100万円でも1,000万円でも、考え方は同じです。

お金を財布、金庫、畑の3つに分けるイメージ図。財布は2〜3年以内、金庫は3〜5年後、畑は10年以上
お金の置き場所は、いつ使うかで3つに分ける(※イメージ図・筆者作成)
箱入れるお金目的置き場所の例
財布2〜3年以内に使うお金、生活防衛資金いつでも引き出せること預貯金
金庫3〜5年後に使う予定のお金額面を減らさないこと個人向け国債など
畑10年以上使わないお金物価に負けず育てることNISAでの投資信託など
財布・金庫・畑の役割(筆者作成)

財布|生活防衛資金の目安はいくら?

生活防衛資金とは、何かあったときに、大切な資産を慌てて売らずに済むためのお守りのようなお金です。一般的な目安は、独身の方で生活費の3か月から半年分、ご家族がいらっしゃる家庭で半年から1年分です。

毎月の生活費が25万円のご家庭なら、150万円から300万円ほどになります。ここに、来年の税金や車検、家電の買い替えなど、2〜3年以内に出ていくと分かっているお金を足します。その合計が、財布に残しておく金額です。

金庫|3〜5年後のお金を守る場所

3年後の車の買い替え、5年後のリフォーム。近いうちに使うから投資で減らしたくない、でも寝かせておくのも少し悔しい。そんなお金の置き場所として、個人向け国債は力を発揮します。

金庫の役目は、大きく増やすことではありません。次に使うときまで、額面を減らさずに持っておくことです。

畑|新NISAで長く育てる場所

畑は、10年以上かけて育てるお金の場所です。物価の上昇に負けないように増やす役目を持っています。新NISAは、国が用意してくれた税金のかからない特別な土地のようなものです。

だから、もし国債がNISAの対象になっても、育てるつもりのお金を慌てて金庫へ移す必要はありません。枠は限られています。何を育てる土地なのかを、役割で考えてみてください。

畑には、ひでりの年も嵐の年もあります。下がったときに種を掘り返してしまうと、これからの収穫に響きます。じっと根を張るのを見守ること。これが畑のいちばん大事な約束です。NISAのよくある思い違いは、新NISAの勘違い5選にまとめています。

よくある質問

国債はNISAで買えるようになるの?

まだ決まっていません。2026年8月の税制改正要望に検討項目として入った段階です。最初の節目は、例年12月中旬に出る税制改正大綱です。

NISAで国債が買えないのはなぜですか?

今のNISAの対象商品に、国債が含まれていないためです。買えるのは、上場株式や、一定の条件を満たす投資信託などです。

個人向け国債とNISAのどちらがいいですか?

どちらが上かではなく、役割が違います。3〜5年後に使うお金は個人向け国債、10年以上使わないお金はNISAで育てる、というように期間で分けて考えてみてください。

NISAで米国債は買えますか?

米国債そのものは買えません。米国債を組み入れた投資信託やETFのうち、NISAの対象になっているものなら買えますが、値動きや為替の変動があります。

個人向け国債プラスになると、何か変わりますか?

財務省は、基本的な商品性は変わらないと説明しています。変わるのは、一部の法人等も買えるようになる点と商品名です。

まとめ|買うか待つかより、いつ使うお金かを先に決める

  • NISAで国債そのものは買えない(2026年11月時点)
  • 個人向け国債のNISA対象化は検討段階で、決まっていない
  • 2026年11月募集分は、変動10年1.85%、固定5年2.17%、固定3年1.94%
  • 普通預金で待つと、100万円で約1万5,300円を取りこぼす計算(前提つき)
  • 待つなら、待つ間の置き場所もセットで決める
  • お金は財布・金庫・畑の3つに分けて考える

今日できることは1つです。生活防衛資金と、2〜3年以内に使うお金を紙に書き出してみてください。それが、あなたの財布に残す金額です。ここが決まると、国債に回せるお金も、育てられるお金も見えてきます。

「自分の場合はどう分ければいいんだろう」と迷ったら、老後の使い方まで含めて考えるのも1つです。老後資産を取り崩す順番の記事も、よかったらご覧ください。

焦らなくて大丈夫です。一緒に考えていきましょう。

参考資料

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この記事を書いた人

FPの流儀のアバター FPの流儀 有限会社バード商会

「バード商会」はもともと私の父の会社です。
バードは、大空を自由に飛ぶラッキーモチーフの象徴ともいわれています。
私と携わってくださる人の家計が「ほんの少しでも豊かになるように」という想いを込め、バードという社名を引き継ぎFPとして相談業務、ライフプランの作成、執筆業務等を行なっています。
皆さまの家計に、経済的な自由(Freedom)と幸運(Prosperity)を提供できるよう尽力して参ります。

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