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お悩み「友人にすすめられたドル建て保険、貯金にも運用にもなるって言われたけど…本当にこのままでいいのかな?」
結論からお伝えすると、外貨建て保険(ドル建て保険)そのものが「悪い商品」というわけではありません。ただし、「貯蓄や資産運用のつもり」で入っているなら、一度立ち止まって確認してほしい商品です。仕組み上、コストが見えにくく、途中でやめると大きく元本割れしやすいからです。
この記事では、金融商品を販売しない中立の立場のFPであるボクが、外貨建て保険の仕組みと5つのデメリット、そして「すでに加入している場合、解約すべきかどうか」の考え方までやさしく整理します。
※本記事は2026年7月時点の一般的な情報に基づくもので、特定の商品・保険会社の評価や、解約の推奨を目的とするものではありません。個別の契約はご自身の証券・設計書でご確認ください。
外貨建て保険とは、払い込んだ保険料を米ドルなどの外貨で運用する保険のことです。終身保険・養老保険・個人年金保険などのタイプがあり、「円建てより利率が高い」「保障を持ちながら貯蓄もできる」という説明とともに、銀行の窓口や保険ショップですすめられることが多い商品です。
たしかに金利の高い外貨で運用するため、パンフレット上の利率は魅力的に見えます。ではなぜ、金融庁が繰り返し注意喚起をするほど苦情の多い商品になっているのでしょうか。理由は「仕組みの分かりにくさ」にあります。
保険金や解約返戻金は外貨ベースで増えていても、受け取る時点で円高になっていれば、円に戻したときに目減りします。例えば1ドル150円のときに払い込んだお金を、1ドル120円のときに受け取れば、それだけで約2割の目減りです。「いつ受け取るか」を自分で選びにくい保険と、為替リスクの相性は良くありません。
払い込んだ保険料のすべてが運用に回るわけではありません。契約時や毎年の保険関係費(保障のコストや運営費用)が差し引かれ、さらに円⇔外貨の交換のたびに為替手数料がかかります。投資信託の信託報酬のように一目で分かる形ではないため、「実際にいくら引かれているのか」を把握しにくいのが実情です。
多くの外貨建て終身保険は、保険料の払込期間中の解約返戻金を低く抑える設計になっています。加入から数年での解約は、払い込んだ額の5〜7割程度しか戻らないことも珍しくありません。「10年は続けられるか」を考えずに入ると、途中でやめたくなったときの選択肢が狭くなります。
パンフレットの「積立利率3%」といった数字は、コストを引かれた後の一部のお金に付く利率であって、払い込んだ保険料全体に対する利回りではありません。実質的な利回りは見た目の数字よりかなり低くなるのが一般的です。ここが投資信託との一番の違いで、誤解が生まれやすいポイントです。
「保障もついて貯蓄にもなる」は一見お得ですが、裏を返せば保障にいくら・運用にいくら払っているのかが分からないということ。掛け捨て保険+つみたて投資という組み合わせと比べようがないまま、なんとなく契約が続いてしまいがちです。

ボクがご相談でよくお伝えするのは、「保障」と「運用」を分けて持つという考え方です。万一の保障は保険料の安い掛け捨て保険で確保し、貯蓄・運用はNISAなどの低コストなつみたて投資で行う。こうすると、それぞれのコストと中身が透明になり、ライフステージの変化に合わせて片方だけ見直すこともできます。
「外貨資産を持つこと自体はリスク分散になるのでは?」——その通りです。ただ、外貨への分散は全世界株式のインデックスファンドや外国債券など、コストの見えやすい手段でも実現できます。外貨建て保険でなければできないことは、実はそれほど多くありません。実際にボク自身も、毎月のつみたて投資で資産形成を行っています(実績を公開した記事はこちら)。
ここが一番大事なところです。「デメリットを知ったから今すぐ解約」は、おすすめしません。低解約返戻金型の場合、慌てて解約するとかえって損失を確定させてしまうことがあるからです。次の3つを確認してから判断しましょう。
選択肢は「継続」「解約」の二択ではなく、「払済にする」「減額する」「保障部分だけ残す」など複数あります。契約ごとに正解が違うので、保険を販売しない中立の専門家に一度見てもらう(セカンドオピニオン)のも有効です。
Q1. 解約返戻金を受け取ると税金はかかりますか?
A. 自分で保険料を払った契約なら、利益部分は原則「一時所得」となります。一時所得には50万円の特別控除があるため、利益が50万円以下なら基本的に税金はかかりません(他の一時所得と合算します。為替差益の扱いなど詳細は税務署・税理士にご確認ください)。
Q2. 円安のいまが解約のチャンスですか?
A. 円安は円ベースの返戻金にプラスに働きますが、返戻率がまだ低い時期なら差し引きでマイナスのこともあります。「為替」と「返戻率の推移」の両方を見て判断が必要で、一概には言えません。
Q3. これから外貨建て保険に入るのはアリですか?
A. 「保障を持ちながら外貨も」という明確な目的があり、コストと為替リスクを理解した上でなら選択肢になり得ます。ただし「貯蓄・運用が目的」なら、NISAなど他の手段と実質利回りで比較してからでも遅くありません。
ボク自身、金融商品を販売しない立場だからこそ、契約をフラットに見ることができます。「この保険、続けるべき?」と迷ったら、ひとりで悩まず一緒に確認していきましょう。生命保険の見直し方は生命保険の平均額と見直し方法の記事でも解説しています。
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