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・これから金投資をするのは危険なの?
・金投資のメリット・デメリットとは?
この記事では、こういったお悩みが解消できます。
【記事を書いた人】
・独立系FPの事務所を運営
・金融ライター実績多数
・上級資格CFP®/FP1級技能士保有
・投資歴10年目
金(ゴールド)価格はここ1年の間で約40%も値上がりし、20年でみると約8倍に価格が上昇しています。もし20年前に100万円分買っていたら、現在800万円になっていたことになります。
「今から買うのってリスク高すぎない?」「どんな風に買ったら良いの?」と疑問に思われる方も多いでしょう。株も債券も大きく変動しているなか、安全な資産の置き場所を探している方、日本円だけでは不安という方に向けて、金投資について解説します。
結論からいうと、金はこれからも長期的に見れば価値が上がっていくと考えられます。なぜなら、金は「超究極の安全資産」だからです。
私自身も金を保有していますが、投資資産全体の中での配分はこのような感じです。
別途iDeCoでは、老後に向けて債券やREIT(不動産)などにも分散投資し、より安定した運用を心がけています。
私の投資戦略は、約8割を投資信託のような「守りの資産」で、残りの1~2割で「攻めの資産」を意識した配分にしています。10年、20年という長期スパンでじりじり資産を増やしていく方針です。この方法は「コア・サテライト戦略」と呼ばれています。
将来的には大体1割くらいを目安に「守りの資産」として金をポートフォリオの一部に組み入れる予定です。
過去、リーマンショックやコロナショックで市場が大暴落した際に、金は安全資産として買われました。投資先の会社が倒産すれば株は紙切れになる可能性もありますが、金は実物資産なので価値がゼロになることはありません。
以前、大分県の鯛生金山(たいお-きんざん)に行ったことがあります。
ここはかつて東洋一の金産出量を誇った場所で、金採掘の大変さと希少性を肌で感じることができました。
一定の価値が担保されていて株よりも値動きが安定していることから「有事の金」とも言われ、今も価値が上がり続けています。
インフレーションとは、モノの値段が上がり、現金の価値が下がる状態のことです。例えば、以前はお米5キロが2,000円で買えましたが、現在は5キロ4,000円と倍になっていれば、同じ量を買うのに2,000円多く必要になります。これが円の価値が減少している状態、つまりインフレです。
銀行預金の利息だけでは物価上昇に対抗できず、資産は徐々に価値が目減りしてしまいます。一方で、金は実物資産なので、インフレ下では物価と同じように金の価格も上昇する傾向にあります。
インフレによって現金の価値が下がっても、金の価格が上昇すればダメージを軽減できるため、インフレに強い資産だと言えます。
金は採掘に限りがある鉱物です。大量生産できないことから、価格が大きく下がりにくい特性があります。また、日本だけでなく世界共通で需要があり、需要と供給の関係が大きく崩れにくいという側面もあります。
学生の頃に世界史を教えてくれた先生も「金の価値は世界共通」だと言っていましたが、長い歴史の中で変わらない価値を持った唯一無二の存在が金なのです。
そもそもお金とは「誰でも安心して使える」という信用のもとで成り立っています。この信用を担保するために生まれたのが「金本位制」です。金本位制とは、通貨の価値を金で担保する仕組みのことで、「通貨いくらで金〇gと交換できる」と決めることで通貨の信用を高めていました。
世界の中央銀行(FRB)は金を大量に保有し、今も金を買い集めています。特に中国やロシアなども積極的に金を購入していますが、これはドルへの依存を避け、自国通貨の価値や信頼性を高めるためとも考えられます。
金の価値は世界共通だからこそ、世界通貨を安定させる役割も果たしているのです。
金を購入する方法は主に2つあります。
私がおすすめするのは間接投資で、特に金価格に連動した投資信託のつみたてまたは金ETFです。
現物投資に比べて手軽に投資できるのが大きな理由です。現物で金を保有する場合、保管手数料や盗難リスクなどのコストが発生します。
投資信託のつみたてと金ETFの最大の違いは取引時間です。
出所)金融庁を参考に筆者作成
投資信託は100円からでも購入できるため、少額で手軽に始められ初心者にもおすすめです。ETFは投資信託よりも信託報酬コストなどが安いのが魅力ですが、最低購入額は数千円〜数万円程度です。
私自身は少額から始められる投資信託で金のつみたて購入をスタートしました。投資信託やETFは新NISAでも購入できる銘柄があるため、中長期の資産形成と相性が良いです。
商品選びで重要なポイントは為替ヘッジの有無です。
為替ヘッジとは、「将来の為替レートをあらかじめ決めて予約しておくこと」です。「為替ヘッジあり」の商品を選ぶことで、為替変動による損益を回避できます。
為替ヘッジありを選べば、為替変動を気にせず金の値上がり効果だけを享受できますが、ヘッジコストがかかる場合もあり、為替ヘッジなしと比べて運用成績が低くなる可能性があります。
実際、リターン率だけで見ると為替の差益分が上乗せされる「為替ヘッジなし」の方が高い傾向にあります。楽天証券の資料によると、日興アセットマネジメントのゴールドファンドでは、為替ヘッジなしの方が円安の恩恵を受けてパフォーマンスが良かったことがわかります。
出所)楽天証券公式HPより
私の場合は10年以上の中長期運用を想定しているため、「為替ヘッジなし」で購入しています。しかし、為替の影響を気にせずシンプルに金をリスクヘッジの資産として運用したい場合や短期的な売買をする場合は、「為替ヘッジあり」も一つの選択肢です。
運用する商品は、なるべくコストが安いものを選びましょう。商品によってコストが異なり、少しの差でも長期運用では大きな違いになります。
例えば、SBI証券の『SBI・iシェアーズ・ゴールド』(愛称:サクッと純金)は信託報酬コストが0.1838%と、現時点で調査した中では最も安いコストでした。
出典:ウエルスアドバイザー
信託報酬コストとは商品を持っている間にかかる費用のことで、コストが安いほど維持費がかからず有利です。
20年運用すれば約16万3,240円の差になります。中身が似ていても販売商品によって手数料が変わるので、中長期で運用する場合はなるべく安いコストの商品を選ぶことが重要です。
金は株や債券とは異なり、配当や利息などの定期的なリターンがありません。一般的に、アメリカのFRBなどの中央銀行によって金利が引き上げられると、国債など利息がつく債券が買われやすくなります。
金は利息がつかないため、金利の上昇局面では買われにくくなる傾向があります。
金は利息がつかないため、金利が上がる局面では相対的に魅力が薄れることを理解しておきましょう。
金には投機性の部分があり、短期的には大きく価格が変動するリスクもあります。現在も世界経済へのリスクに備え安全資産としての金が買われていますが、一気に資金が集まると一過性のマネーゲームのような投機的な相場になりやすい点に注意が必要です。
SBI証券のデータによると、2005年〜2024年末までの過去20年間で、金は過去1年間で約39.9%上昇し、2024年には金がS&P500(米国株式)のリターン率を僅差で上回っています。
出所)SBI証券公式HPより
2025年には金の最高値となる3,000円を突破していて、やや過熱感もあるため調整が入る可能性もあります。一気に購入するようなギャンブル的な買い方はおすすめしません。
過去を振り返ると、2013年や2025年など前年に大きく上がった翌年に大きく下がったことがありました。しかし、長期的な視点で見ると、株と金はともに上昇傾向にあります。
出所)SBI証券公式HPより
特に金はここ20年間で7〜8倍になっており、根強い需要があることがわかりますね。
歴史的に見ても価値が担保されている金という資産に分散投資することで、株式や債券が軒並み値下がりするような局面でも総崩れを防ぎ、精神的な安定につながります。
私自身も資産ポートフォリオの10%程度を目安に金を組み入れていますが、金は「増やす」というより「守りの資産」という位置づけです。だからこそ、資産全体の中での適切な配分が重要です。
この記事を読み終えた後、ぜひ皆さんにやってほしいことは資産配分の再確認です。もし不安を感じるようであれば、リスクを取り過ぎている可能性があります。無理なく自分のペースで資産形成することが何よりも大切です。
不安な局面こそ、「ゴールド投資」の魅力が輝くかもしれません。ただし、金も価格変動があるため100%安定しているわけではありません。「少額で分散投資を行い、バランス良く保有すること」を心がけましょう。
あなたの堅実な資産形成を心から応援しています!
※本記事は投資判断の参考として情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終判断はご自身の責任で行ってください。
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