こんにちは、FPのたけです。
今回、大江英樹さん著者「知らないと損する年金の真実」という本と、その後著者の方によるセミナーを聞きました。
目から鱗な考え方や今まで誤解していた年金の考え方がありましたので、実際に受けての感想をざっくりではありますが共有したいと思います。
なぜこの本にたどり着いたかというと、仕事関係の一環でDCプランナー試験(マイナーな資格です笑)を受けたんですが、年金の分野が全くできず、結果この分野が足を引っ張り落ちてしまいました。
そこで年金分野をどうにかしようとたどり着いた一つがこの本でした。
年金の法律は今でも日々改正が行なわれており、今後も時代にあわせて変わっていくと思います。
だからこそ、年金の本質を抑えておけば今後どのように変化したとしても、不安は減るでしょう。
年金について興味のある方は
「日本は少子高齢化が進むから年金制度は支えきれない」と考えたことはありませんか?
筆者は頭のどこかでこう考えていました。そしてこれらはメディアでも揚げ足を取るかのように言われています。
日本の少子高齢化が進んでいるのは事実でしょう。
今の日本で高齢者とは、65歳以上の方を対象としています。
誰もが「これまで65歳以上1人を65歳未満何人で支えているか」で計算しており、この考えでは確かに支えきれないと解釈しても、おかしくはないでしょう。
ただ、この考えは本当に正しいのか?ということでした。
本当に検証すべきなのは、65歳未満が何人で65歳以上を養っているか、ではなくて‥
1人の就労者(働いている人)が何人の非就労者(働いていない人)を養っているか?ということではないかと問題提起していました。
年金は、65歳以下の人が支払っているのではなく、現役で働いている人が保険料を支払っています。
そして最近では、65歳以上の方と、女性の方の働く人の割合が増えているとのことでした。
内閣府が出している令和3年度高齢白書によれば、高齢者の雇用(働いている状況)は以下のようになっていました。
・65歳未満 約81%
・65歳~69歳 約51%
・70~74歳 約33%
・75歳~ 約11%
75歳以上の方でも10人に1人以上は現役で働かれているということですね。
いまの政府の考えとしても、65歳以上が高齢というのはおかしくないか?となっているようです。
そして、人生100年時代といわれている今、今後益々働く人が増えると予想されているようです。
生きているうちは働き続けたり、何かの貢献をしたりとそういう生き方を自身もしたいです。もちろん、健康だからこそできることもあるでしょうが‥
さて、ここからが筆者自身もなるほど!とおもった年金の本質の考え方ですが
年金は貯蓄ではなく保険である と提唱していることでした。
この保険の本質の部分については、過去ブログでも取り上げていますのでそちらも参考にされてください。ダメ!絶対!保険で資産形成~保険会社の養分になるな!~ | FPの流儀 (financialplanertk2021.com)
では年金はどんな不幸に備える保険か?
長生きすることに備える保険(長生きする不安)ということでした。
年金(公的年金)には、大きく3つの保険の役割があります。
★民間の保険商品だと、傷害保険のようなものでしょう。
★民間の保険商品だといわゆる生命保険に該当するでしょう。
世のサラリーマンの方なら厚生年金で、自営業者は国民年金を払っているはずですので、上の3つの保障を受けられます。
したがって、働いている人は(公的な)国の保険に加入していると考えると、イメージしやすいかもしれません。
よく金融業界に精通している(マネーリテラシー)がある方ほど、物事をソントクで考えがちだと言っていました。
なぜなら貯蓄や投資は、損得勘定で考える必要があり、これはビジネスの世界でも至極真っ当な考え方だからです。
しかし、年金は損得で考えてはいけないということです。
理由としては、年金は共済だからです。位置付けとしては、老後を生きていくための最後の手段だからということでしょう。
これまで納めてきた保険料を取り返そうとするのではなく、予想外に長生きしたときの所得面での不安を和らげるのが最大の目的で、だからこそ年金は保険なのだと。
したがって年金の仕組みは、社会みんなで助け合う共済で、貧しくなることを防ぐ(防貧)の意味合いがあるということですね。
日本では年金の受給開始は65歳からですが、繰り下げをして70歳から受け取るようにしても、70歳前に亡くなったら、変な話後悔するのはあの世です。(これまで保険料を払ってきたのに、一銭も受け取れないため)
もし60歳からもらえるように繰り下げたら、65歳から受け取るときよりももらえる金額が少なくなるので、長く生き続けた場合、この世で後悔する可能性もあります。年金改正法について | FPの流儀 (financialplanertk2021.com)
どちらが良いというわけではないですがこの事実を知っておくことも、老後のことを考える上では大切なことではないでしょうか。
ちなみに、生活保護など国のセーフティーネットは、何らかの事情が重なってたまたま年金という共済の仕組みに入ることができなかった個人の方の貧困を救うための仕組みが、「公助」だと仰っていました。
筆者が1番なるほど!と感じたのは、会社が従業員の方の同じように健康保険(介護保険)、厚生年金といった社会保険料を半分払って(労使折半)いるかとおもいます。
この労使折半というのも、会社や個人といった社会全体で支え合いながら生きていく、いわゆる共済の精神に基付いているのだという点でした。
まとめ
公的年金の3つの役割は毎月保険料を払っている方の、将来の権利でもあります。
支払う義務があればもらえる権利も発生します。年金の3つの権利を覚えていれば少しは将来への不安も少なくなるのではないかとおもいます。
年金の仕組みや、ご自身の老後のことを考えるヒントとなれば嬉しいです。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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